私たち一人ひとりが誰であるかわかるようにするには、当然ですが「姓名」が欠かせませんよね。
では天皇家に苗字がないのは知っていますか?
○天皇家に苗字がないワケとは?
その理由は天皇が「唯一無二の存在」であるためです。
皇室は、ひとつの家系が神武天皇から現在の徳仁(なるひと)天皇に至るまで、126代続いてきた「万世一系」なので、姓や苗字を名乗って他と区別する必要がないからです。
○苗字の代わりになる「称号」と「宮号」
その代わりに「称号」「宮号(みやごう)」があります。
・称号
称号とは天皇や皇太子の子どもに与えられるもので、皇太子になるまでの幼名です。
現在の天皇である徳仁天皇も皇太子になるまでは、「浩宮(ひろのみや)」と呼ばれていました。
ちなみに天皇のお父さんである、上皇さまの称号は「継宮(つぐのみや)」でした。
正式なお名前は「今上(きんじょう)天皇 継宮 昭仁」になります。
つまり称号はいわゆるミドルネームのようなものなんですね。
・宮号
そして宮号は皇族男子個人に与えられる「〇〇宮」です。
これが一般の姓の代わりになると言えます。学校での姓の代わりとしても使われているということです。
例えば徳仁天皇の弟にあたる文仁(ふみひと)さまは、「秋篠宮(あきしのみや)」という宮号を与えられています。
TVや雑誌などで「秋篠宮の紀子さま」などといわれますが、これは便宜上であり、あくまで秋篠宮は文仁さま個人を指すものです。
○天皇家のお嫁さんの姓は?
そして天皇家に嫁いだ女性である「美智子さま」「雅子さま」「紀子さま」にも、現在苗字はありません。
それぞれ美智子さまは「正田(しょうだ)」、雅子さまは「小和田」、紀子さまは「川嶋」という旧姓でしたが、天皇家に嫁いでからは苗字がなくなったんです。
○「平成天皇」「令和天皇」と呼ばない理由
歴代の天皇を「明治天皇」「大正天皇」「昭和天皇」と呼んでいるのに対して、なぜ上皇さまや徳仁天皇は同じように呼ばれないのでしょう。
これはその呼び方が「諡(おくりな=崩御後の追号)」だからです。