「仏」という言葉を使ったことわざは意外に多いものですが、あなたはいくつ思い浮かびますか?
⦅もくじ⦆
1.仏の顔も三度まで
2.今際(いまわ)の念仏誰も唱える
3.知らぬ仏より馴染みの鬼
4.寝た間(ま)は仏
5.女房、鉄砲、仏法
6.無いが極楽、知らぬが仏
7.知らぬは仏、見ぬが神
8.仏も昔は凡夫(ぼんぷ)なり
9.仏作って魂入れず
1.仏の顔も三度まで
「仏の顔も三度撫(な)ずれば腹立てる」を略したもの。
いかに温和な仏でも三度もなでられれば腹を立てるという意味。
これまで大目に見てきたことも、度重なればどれほど温和な人でも怒り出すということのたとえ。
2.今際(いまわ)の念仏誰も唱える
ふだん不信心な人でも、死ぬ間際には念仏を唱えて助けを求めるという意味。
3.知らぬ仏より馴染みの鬼
知らない神様よりもよく知っている鬼の方がいいという意味。
よく知らない人よりも、身近な人の方が頼りになるということのたとえ。
「知らぬ神より馴染みの鬼」とも。
4.寝た間(ま)は仏
人間は誰でも眠っているときは心が無になって、仏のようになれる。
あるいは起きている間は悩んでいる人間も、眠っている間は平安でいられるという意味。
5.女房、鉄砲、仏法
女房(女性)は雰囲気をやわらげ、鉄砲は治安を保ち、仏法は心を正しい方向に導く。
この3つがあれば世の中は平和。
6.無いが極楽、知らぬが仏
貧しい者の方が贅沢を知らないので、欲に悩むことがなくかえって幸せだという意味。
7.知らぬは仏、見ぬが神
知らなかったり見なかったりした方が、仏のような穏やか気持ち、極楽のような境地で落ち着いていられるという意味。
中途半端に事情を知ってしまったり見てしまうと、怒り苦しむことになる。
反対に知らない、見ないでいることが幸いして平気で過ごせるということのたとえ。
8.仏も昔は凡夫(ぼんぷ)なり
お釈迦さまももとは煩悩の多い凡人だったという意味。
誰でも修業を積めば仏になれることのたとえ。
「仏も昔は人なりき」とも。
9.仏作って魂入れず
仏像を作っても魂を入れなければ、ただの木や石と同じという意味。
せっかくいいものを作っても、大事なことが抜け落ちていたら作った努力が無駄になることのたとえ。
昔の人が作ったことわざでも、今に通じるものばかりですね。