占いにも深い関係がある暦の中に、五節句というのがあるのを知っていますか?
それはよく知られている桃の節句や端午の節句の「節句」のことです。
では他の3つは??
それを日本人の季節行事として今に至っています。
五節句の他にもっといろいろな節句があったのですが、最終的に現代に残っているのはつぎの5つ。
1.人日(じんじつ)の節句
五節句のもと、中国では正月の1日を鶏の日、2日を犬の日、3日を豚の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日として、その日がそれらの動物を殺さないようにしていました。
そして7日は人日、つまり人間の日として、犯罪者対する刑罰はしないようにしていました。
それが日本の風習に結び付いたものといわれています。
またその日には「七草がゆ」を食べる習慣がありました。
この七草は今に伝わる「春の七草」です。
① セリ(芹)
② ナズナ(薺) → ぺんぺん草
③ ゴギョウ(御形) → 母子草のこと
⑤ ホトケノザ(仏の座) → 田平子のこと
⑥ スズナ(菘) → かぶのこと
⑦ スズシロ(蘿蔔) → 大根のこと
七草がゆを食べるのは、その年1年の無病息災と五穀豊穣を祈るためです。
現在は1月7日に七草がゆを食べますが、旧暦では2月ごろのこと。
今は厳しい寒さの中にも新芽の芽吹きを感じるころです。
七草がゆはその野草の力強さをあやかり、お正月のおせち料理で弱った胃をいたわるためでもありました。
実はその後の小正月15日にも、「七草がゆ」を食べたとする文献があるそうです。
このおかゆには、七種類の穀物(米、粟、きび、ひえ、小豆など)が使われたようです。
これは穀物の「七種(ななくさ)」と「七草」が、同じ発音だったためではないかといわれています。
心からの願いが込められた「七草」。
当時の人たちの生活がしのばれます。